【2024年6月最新版】小規模事業者持続化補助金とは?概要や対象となる事業者・事業内容・経費について解説

目次

小規模事業者補助金とは

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者による販路開拓・業務効率化に要する費用の一部を上限250万円の範囲内で後払い形式で支給する補助金をいいます。

以下URLから最新の補助金の公募要領を確認することができます。

小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 16 回公募 公募要領

対象者

対象範囲内の者

本補助金の対象者となるには、以下に掲げる全てに該当する必要があります。

  • 小規模事業者であること
    先述したとおり、対象者は小規模事業者に限られます。小規模事業者とは、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律:第2条(定義)」に規定されている者が該当します。
商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律:第2条(定義)
  1. 製造業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 二十人
  2. 商業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの 五人
  3. 政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの 当該業種ごとに政令で定める数
業種従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数 20人以下
  • 資本金又は出資金が5億円以上の法人に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が 15億円を超えていないこと
  • 以前、本補助金を受けた場合には、補助事業終了日の属する月の翌月から1年を経過していること
  • 以前、本補助金を受けた場合には、本補助金を卒業枠で採択を受けたことがないこと
  • 前回、公募していた本補助金に申請中でないこと

対象範囲外の者

先述した、対象範囲内の者に該当する者であっても、以下事由のいずれかに該当する場合には対象範囲外となります。

  1. 医師
  2. 歯科医師
  3. 助産師
  4. 系統出荷による収入のみである個人農業者(個人 の林業・水産業者についても同様)
  5. 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
  6. 一般社団法人
  7. 公益社団法人
  8. 一般財団法人
  9. 公益財団法人
  10. 医療法人
  11. 宗教法人
  12. 学校法人
  13. 農事組合法人
  14. 社会福祉法人
  15. 申請時点で開業していない創業予定者(例えば、 既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
  16. 既に税務署に開業届を提出していても、申請時点までに事業を開始していない者
  17. 任意団体

対象事業

対象範囲内の事業

補助の対象となるには、以下事由の全てを満たす必要があります。

  • 事業内容が、申請の際に提出する事業計画書に基づいて実施する販路開拓の取組み又は販路開拓の取組みと合わせて行う業務効率化(生産性向上に繋がる取組み)であること
  • 商工会又は商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること
  • 補助事業終了日までに補助事業が終了すること
  • 補助事業終了日から1年以内に売上に繋がることが見込まれない事業

対象範囲外の事業

  • 国や地方公共団体から助成を受けていない事業
    例:介護報酬や診療報酬が適用されるサービス
  • 事業内容が射幸心をそそる又は公序良俗に反する事業に該当しない事業
    例:パチンコ店・風俗店

申請枠

小規模事業者補助金を申請する際、4つの申請枠のうちいずれか1つを選択しなければなりません。

https://s23.jizokukahojokin.info/doc/s23_koubo16_13.pdf

通常枠

通常枠とは、特別枠と称されている「賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠」を用いない一般的な申請枠をいいます。

補助対象経費の3分の2(※50万円まで)の補助を受けることができます。

後述しますが、特別枠で申請する場合は一定条件をクリアすしなければならない反面、クリアすると補助額が上乗せされます。

一定条件をクリアする必要がないため最も容易な申請枠です。

賃金引上げ枠

賃金引上げ枠とは、補助事業終了日までに賃金を上昇させることを条件とし、その条件を満たすことで補助額を上乗せすることができる申請枠です。

補助対象経費の3分の2(※200万円まで)の補助を受けることができます。ただし、赤字事業者である場合に限り補助対象経費の4分の3の補助を受けることができます。

卒業枠

卒業枠とは、補助事業終了日までに小規模事業者の枠を超えることを条件とし、その条件を満たすことで補助額を上乗せすることができる申請枠です。

後継者支援枠

後継者支援枠とは、後継者が「アトツギ甲子園」でファイナリスト又は準ファイナリストとなった者のみを対象者とし、補助額を上乗せすることができる申請枠です。

補助対象経費の3分の2(※200万円まで)の補助を受けることができます。

創業枠

創業枠とは、事業者が本補助金の公募締切時から起算して3年前までに「特定創業支援等事業」による支援を受けた場合のみを対象とし、補助額を上乗せすることができる申請枠です。

補助対象経費の3分の2(※200万円まで)の補助を受けることができます。

インボイス特例

申請時にインボイス特例を受けることとし、補助事業終了時までに一定条件をクリアすると補助上限額を50万円上乗せすることができます。

対象経費

本補助金の対象経費は、補助事業に関して補助事業終了日までに支出する金銭のうち、下記に掲げる金銭となります。

また、補助額は補助対象経費の合計額に補助率(2/3又は3/4)を乗じた額となります。

対象となる経費

対象となる経費は以下10種です。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

機械装置等費

機械装置等費は、補助事業の遂行に必要な機械装置やソフトウェアの購入に関する経費が対象となります。これには、事業の遂行に直接必要な新しい機械や設備の導入費用が含まれますが、通常の事業活動のための費用や単なる機械の取替え、更新のための購入は補助対象外です。

広報費

広報費は、補助事業計画に基づき、製品やサービスの宣伝を目的としたパンフレット、ポスター、チラシなどの広報媒体の作成および活用にかかる経費を補助します。この経費の補助対象となるのは、事業計画で定められた販路開拓や市場拡大を直接支援する内容の広報活動に限られます。ただし、単純な企業のPRや一般的な営業活動を目的とした広報費は補助の対象外です。

ウェブサイト関連費

ウェブサイト関連費は、販路開拓やビジネス拡張のために必要なウェブサイトやECサイト、オフラインを含む各種システムの開発、構築、更新、改修、運用にかかる経費を補助します。この経費には、新しいウェブサイトの設計や既存サイトの機能強化、EC機能の追加、システムのセキュリティ強化などが含まれます。ただし、ウェブサイト関連費だけでの申請は認められず、他の経費項目と合わせて申請する必要があります。

展示会等出展費

展示会等出展費は、新商品やサービスを展示会や商談会に出展するために必要な経費を補助します。これには出展料のほか、関連する運搬費、通訳料、翻訳料などが含まれますが、レンタカー代、ガソリン代、駐車場代は補助対象外です。

旅費

旅費は、補助事業計画に基づいて行われる販路開拓活動に関連する出張に必要な経費を補助します。しかし、補助事業計画に記載されていない出張の旅費は補助対象外とされ、通常の営業活動で要する旅費も補助の対象にはなりません。

新商品開発費

新商品開発費は、新しい商品の試作品作成や包装パッケージの開発に必要な原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工などに関わる経費を対象とします。

資料購入費

資料購入費は、補助事業の遂行に必要不可欠な図書や資料を購入するための経費を補助します。この経費項目には、プロジェクトの実行や研究に直接関連する専門書や参考資料の購入が含まれますが、取得単価が10万円(税込)未満のものに限定され、同じ図書の複数購入は補助の対象外です。

借料

借料は、補助事業の遂行に直接必要な機器や設備のリース料やレンタル料として支払われる経費を補助します。

設備処分費

設備処分費は、販路開拓や事業の効率化のために不要となった設備機器を廃棄したり、借りていた設備を返却する際の修理や原状回復に関連する経費を補助します。この費用は、事業のスペースを拡大するなど、新たな販路を開拓する目的で必要となる場合に限り補助の対象となります。

委託・外注費

上記経費に該当しない経費っであって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託・外注するために支払われる経費(自ら実行することが困難な業務に限ります。)が対象となります。

対象とならない経費

国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費
  • 全国旅行支援を利用した出張旅費
  • 就労継続支援A型事業所・B型事業所など障害福祉サービス事業と重複する経費
  • デイサービス・介護タクシー等の居宅介護サービス事業者で介護報酬が適用されるサービス
  • 保険適用診療にかかる経費(薬局、整骨院や鍼灸院等の保険診療で使用する機械や保険診療の宣 伝も兼ねるチラシ等)
通常の事業活動に係る経費
  • 販売している商品の仕入
  • 老朽化した既存機械の取替え費用
  • 応接室のソファや従業員が使用する事務机の購入費用
販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
  • 塾や教室等で使用する有料教材の制作費用
  • 有料配信する動画の制作費
  • レンタル事業を営む事業者がレンタル機材を購入する費用
  • 電子書籍や本の出版に係る費用(電子書籍に係る費用は新商品開発費でも対象外)
  • コワーキングスペース等の有償スペースの改装費用
他社のために実施する経費
  • 他社の販路開拓につながる取組
  • 他社の商品を宣伝するためのHP制作費や他社製品を製造するための機械の導入
  • 他社への寄付金や協賛金
自動車等車両
  • 自動車
  • フォークリフト
  • キッチンカー
  • 除雪車
  • キッチントレーラー
上記のほかに、補助対象経費として認められない経費
  • 補助事業の目的に合致しないもの
  • 必要な経理書類(見積書・請求書・領収書等)を用意できないもの
  • 交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの
    ※展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります(ただし、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です)。
  • 自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引によるもの
  • 映像制作における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る関連経費
  • オークションによる購入(インターネットオークションを含みます)
  • 駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費
  • 事務用品等の消耗品(名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、はさみ、テープ類、クリアファイル、無地封筒、OPP・CPP袋、CD・DVD、USBメモリ・SDカード、電池、段ボール、梱包材の購入など)
  • 雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
  • 茶菓、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用
  • 不動産購入・取得費、修理費(ただし、設備処分費に該当するものを除く)、車検費用
  • 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用および訴訟等のための弁護士費用
  • 金融機関などへの振込手数料、代引手数料、インターネットバンキング利用料、インターネットショッピング決済手数料等
  • 公租公課(消費税・地方消費税は、(消費税等を補助対象経費に含めて補助金交付申請額を申請し、その内容で交付決定を受けた「免税事業者・簡易課税事業者・2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の申請者」を除き、)補助対象外とする。ただし、旅費に係る出入国税は補助対象とする。)
  • 各種保証・保険料(ただし、旅費に係る航空保険料、展示会等出展で主催者から義務付けられた保険料に係るものは補助対象とする。)
  • 借入金などの支払利息および遅延損害金
  • 免許・特許等の取得・登録費
  • 講習会・勉強会・セミナー研修等参加費や受講費等
  • 商品券・金券の購入、仮想通貨・クーポン・(クレジットカード会社等から付与された)ポイント・金券・商品券(プレミアム付き商品券・地域振興券等を含む)での支払い、自社振出・他社振出にかかわらず小切手・手形・相殺による決済・支払い
  • 役員報酬、直接人件費
  • 各種キャンセルに係る取引手数料等
  • 補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
  • 購入額の一部又は全額に相当する金額を口座振込や現金により申請者へ払い戻す(ポイント・クーポン等の発行を含む)ことで、購入額を減額・無償とすることにより、購入額を証明する証憑に記載の金額と実質的に支払われた金額が一致しないもの
  • クラウドファンディングで発生しうる手数料(返礼品、特典等を含む)
  • 1取引10万円(税抜き)を超える現金支払
  • 補助事業期間内に支出が完了していないもの(分割払い、クレジットカード決済、リボルビング支払等の場合、金融機関等から引き落としが補助事業期間内に完了していることが必要。)
  • 売上高や販売数量、契約数等に応じて課金される経費や成功報酬型の費用
  • 謝金
  • 雑役務費(アルバイト代などの人件費、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費等)
  • 上記の他、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

まとめ

小規模事業者補助金は、小規模事業者による販路開拓又は販路開拓+業務効率化を補助する制度です。

4つの申請枠があり、各事業者が一番適合する枠を1つ選ぶ必要があります。なお、インボイス特例を活用することでさらに補助額を上乗せすることができます。

便利な補助金制度ですが対象となる経費に制限がありますので注意して申請する必要があります。

本記事では、小規模事業者持続化補助金という制度の概要について説明しました。対象となる経費や申請~事後手続きの流れに関しては以下の記事で詳しく説明しています。申請前に併せて確認をしてください。


当事務所の代表は、商社法務部として数多くの事業に携わったことから各事業の事業計画書の作成に精通しています。この経験から、貴社が安全に小規模事業者持続化補助金を受領できるような事業計画書の作成は勿論、採択後のサポートまで一括でサポートすることが可能です。

無料相談も承っていますのでご興味がありましたらお問い合わせくださいませ。

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