総会場を決める際に考えるべきこと
株主総会を開催する際には、まず、開催方法を考える必要があります。
開催方法の候補としては、下記4つがあります。
- リアル総会型
- ハイブリッド参加型
- ハイブリッド出席型
- バーチャルオンリー型
リアル総会型
リアル総会型とは、取締役や株主などの重要な関係者たちが物理的な場所に集まり、企業の経営方針や業績などの重要事項に関する議決や情報共有を行うために開催される形態のことを指します。
ハイブリッド参加型
ハイブリッド参加型は、物理的な場所での株主総会(リアル株主総会)とオンラインでの参加を組み合わせた形態です。
この場合、オンライン参加の株主は、会社から提供された特定のIDやパスワードを使用して、特設のWEBサイトなどで中継動画を傍聴できます。
しかし、オンラインでの参加は会社法上の「出席」とは認められず、そのため、質問や議決権の行使といった行為は許されません。
この形態は、株主が経営者の発言を直接聞き、会社の方針や将来の戦略を理解することを主目的としています。そのため、多くの日本企業で、経営者自らが情報を発信する機会として評価されています。
ハイブリッド出席型
ハイブリッド出席型バーチャル株主総会は、リアル株主総会とオンライン参加を組み合わせた上で、オンラインでの参加者にも議決権の行使を認める形態です。
遠隔地の株主もインターネットなどの手段を利用して株主総会に「出席」し、議決に参加することが可能となります。
また、議決権の行使も可能です。
ただし、これには情報伝達の双方向性と即時性が確保されている必要があり、さらに議決権の行使も法312条1項所定の電磁的方法による議決権行使ではなく、招集通知に記載された場所で開催されている株主総会の場で議決権を行使したものと解される点には注意が必要です。
バーチャルオンリー型
バーチャルオンリー型の株主総会とは、従来の物理的な場所でのリアルな株主総会を開催する代わりに、インターネットやその他のデジタル技術を活用して完全にオンライン上で行われる株主総会のことを指します。
この方式では、取締役、監査役、株主などの関係者が物理的な場所に集まることなく、それぞれの場所からインターネット接続を通じて会議に「出席」します。
バーチャルオンリー型の株主総会は、移動時間や場所の制約を気にすることなく、関係者が参加しやすくなるというメリットがあります。
特に大規模な会社や、株主が国際的に分散している場合、参加の敷居を低くすることが可能です。
また、新型コロナウイルスのような感染症の流行時には、感染リスクを低減しながら株主総会を安全に実施する手段として注目されました。
リアル総会時の注意点
リアル総会にて開催する場合は、下記について注意する必要があります。
- 収容人数
予想される参加者の人数に合わせて、適切なキャパシティの場所を選びます。 - 交通の利便性
駅やバス停からの距離、駐車場の有無など、アクセスの良さは重要です。 - 設備
プロジェクターやマイク、Wi-Fi等の必要な設備が備わっているか確認します。 - コスト
予算に合わせて場所を選ぶ必要があります。 - セキュリティ
大量の参加者が集まる場合や重要な決議が予定される場合は、セキュリティ面も考慮が必要です。 - 雰囲気・環境
企業のイメージやブランドに合った場所を選ぶことが好印象を与えることができます。 - 隣接する施設
休憩時間や終了後に利用できるカフェやレストランが近くにあると、参加者にとって便利です。 - 緊急事態対応
万が一の事態に備えて、消防設備や避難経路、近隣の病院の位置などを確認します。 - 契約・キャンセルポリシー
キャンセルや変更が生じた場合のポリシーを理解し、柔軟に対応できる場所を選びます。 - 株主の層
株主の年齢層、移動能力などを考慮し、バリアフリーの設備やエレベーターの有無などをチェックします。 - 飲食の提供
総会後の懇親会などで飲食を提供する場合、その設備やサービスが利用できるかどうかも確認が必要です。
ハイブリット出席型株主総会時の注意点
ハイブリッド参加型株主総会にて開催する場合は、「リアル総会時の注意点」記載の注意点に加え、下記について注意する必要があります。
- 双方向性の確保
オンライン参加の株主とリアル会場との情報伝達の双方向性と即時性を確保する必要があります。 - 法的解釈の正確性
オンラインでの参加が会社法上の「出席」として認められるため、関連する法的条件や解釈を正確に把握し、それに基づいて運営すること。 - 技術的な安定性
オンラインの議決権行使や意見の発言などの機能が正確に、かつ迅速に動作するような技術的な環境を整備すること。 - 株主認証の厳格化
オンラインでの議決権行使が行われるため、更なる厳格な株主認証の手段を導入する必要があります。 - 通信トラブルへの対応
オンライン参加の株主が議決権を行使する場合、通信トラブル時の対応策や代替手段を予め準備しておくこと。 - 透明性と公平性
オンラインとリアルの株主が平等に情報にアクセスし、意見を発信できる環境を確保すること。 - サポート体制の強化
オンライン参加の株主からの質問や技術的問題、議決権行使の際のトラブル等に即座に対応できるサポート体制を構築すること。 - 参加者教育
オンラインでの議決権行使方法やシステムの使い方など、株主に対して事前の十分な教育を施すこと。 - データ保護とプライバシー
オンライン参加の株主の個人情報や投票内容などのデータ保護を徹底すること。 - 事後のフィードバック収集
オンラインとリアルの双方の株主からのフィードバックを収集し、次回の改善に活用すること。
ハイブリッド参加型株主総会時の注意点
ハイブリッド参加型株主総会にて開催する場合は、「リアル総会時の注意点」記載の注意点に加え、下記について注意する必要があります。
- 株主認証の徹底
会社から提供される固有のIDやパスワードを用いての株主確認をしっかりと行うこと。 - 法的な位置づけの理解
オンラインでの参加は会社法上の「出席」とは認められないため、質問や動議の行為はオンラインの参加者には許されないことを明示する必要があります。 - 情報発信の重視
ハイブリッド参加型の主目的は、経営者の発言を直接株主に届けることです。
そのため、経営者の発言やプレゼンテーションの内容、質を高めることが求められます。 - 通信の安定性の確保
中継動画の視聴中に通信トラブルや途切れが発生しないよう、十分な帯域や安定した通信環境の提供が必要です。 - サポート体制の構築
オンライン参加の株主からの質問や技術的な問題に対応するためのサポート体制を整えること。 - 事前のテスト運用
実際の株主総会前に、システムの動作確認やリハーサルを実施し、問題点を洗い出して対策を講じること。 - 透明性の確保
中継動画の内容や情報発信が公平であることを保証し、透明性を確保すること。 - 株主への事前説明
新しい開催形態であるため、株主に対して事前に十分な情報提供や使い方の説明を行うこと。 - アフターケアの提供
株主総会後も、Q&Aセッションの提供や資料の公開など、株主への情報提供を継続的に行うこと。
バーチャルオンリー型株主総会時の注意点
バーチャルオンリー型株主総会にて開催する場合は、下記について注意する必要があります。
- 双方向性の確保
オンライン参加の株主とリアル会場との情報伝達の双方向性と即時性を確保する必要があります。 - 法的解釈の正確性
オンラインでの参加が会社法上の「出席」として認められるため、関連する法的条件や解釈を正確に把握し、それに基づいて運営すること。 - 技術的な安定性
オンラインの議決権行使や意見の発言などの機能が正確に、かつ迅速に動作するような技術的な環境を整備すること。 - 株主認証の厳格化
オンラインでの議決権行使が行われるため、更なる厳格な株主認証の手段を導入する必要があります。 - 通信トラブルへの対応
オンライン参加の株主が議決権を行使する場合、通信トラブル時の対応策や代替手段を予め準備しておくこと。 - 透明性と公平性
オンラインとリアルの株主が平等に情報にアクセスし、意見を発信できる環境を確保すること。 - サポート体制の強化
オンライン参加の株主からの質問や技術的問題、議決権行使の際のトラブル等に即座に対応できるサポート体制を構築すること。 - 参加者教育
オンラインでの議決権行使方法やシステムの使い方など、株主に対して事前の十分な教育を施すこと。 - データ保護とプライバシー
オンライン参加の株主の個人情報や投票内容などのデータ保護を徹底すること。 - 事後のフィードバック収集
オンラインとリアルの双方の株主からのフィードバックを収集し、次回の改善に活用すること。