【株主総会の流れ①】法務・総務向け|基準日とは?確定・公告の方法

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基準日とは?

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 基準日とは、「〇月〇日時点で株式を保有していると名簿にある者(株主)に株主総会にて議決権を行使できる権利を与えよう」というように、設定した一定の日を「基準日」といいます(会社法第124条第1項)。

 また、基準日において株主名簿に記載・記録されている株主を「基準日株主」といいます。

会社法第124条第1項

 株式会社は、一定の日(以下、「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下、「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。

基準日の定め方

基準日の決定方法には以下の3通りの方法があります。

  1. 予め定款で定める。
  2. 定款で定めず総会日までに基準日を設定する。
  3. 基準日を設定しない。

予め定款で定める

書類
書類

 基準日は定款で定めることができます。

 定款で定めることにより、今後の株主総会において一律に基準日を設定することができます。

 定款で定めるメリットとしては、基準日を株主総会ごとに公告する必要がなくなることが挙げられます(会社法第124条第3項)。

 なお、定款で基準日を定めた後でも任意に基準日を設定することも可能です。

 具体的には、下記のように制定する場合が多いです。

第〇条(基準日)

 当会社は、毎年〇月〇日の最終の株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。

 なお、定めた場合には下記を行う必要があります。

下記は、当事務所が作成した定款です。

 もしよろしければ参考にしてください。

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会社法第124条第3項

株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の2週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項を公告しなければならない。ただし、定款に当該基準日及び当該事項についての定めがあるときは、この限りではない。

定款で定めず総会日までに基準日を設定する

カレンダーを見る男性
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 基準日は、必ずしも定款で定めなければならない訳ではありません。

 元来、基準日を定める目的は「株主総会にて議決権を行使したい株主」を保護するためです。

 そのため、株主にきちんと基準日が伝わっていれば問題ありません。

 株主と会社は信頼の上に成り立っている関係であるため、可能な限り早く基準日を伝える必要があります。

 なお、定めた場合には下記を行う必要があります。

  1. 基準日株主が基準日から3カ月以内に行使できる権利を定めた上で、(会社法第124条第2項)
  2. 当該基準日の2週間前までに①基準日②基準日から3カ月以内に行使できる権利の内容を公告(会社法第124条第3項)
会社法第124条第2項

 基準日を定める場合は、株式会社は、基準日株主が行使できる権利(基準日から3カ月以内に行使するものに限る)の内容を定めなければならない。

会社法第124条第3項

 株式会社は、基準日を定めたときは、当該基準日の2週間前までに、当該基準日及び前項の規定により定めた事項公告しなければならない。ただし、定款に当該基準日及び当該事項についての定めがあるときは、この限りではない。

基準日を設定しない

バツ
バツ

「基準日を定めない」ということも選択肢の1つとしてあります。

 この場合は、総会開催時点が基準日となります。

 しかし、株主からすると基準日があったほうが安心できると思うので、可能な限り定めるべきと考えます。

公告方法

 株主総会における公告とは、株主へ企業の運営に関して重要な事項を告知することです。

 このプロセスは会社法によって義務づけられており、公告を怠ることは罰金の対象となります。

 公告方法には複数の選択肢が存在し、それぞれメリットとデメリットがあります。

 このような公告は、透明性を高め、ステークホルダーに必要な情報を提供するための重要な手段であり、法的な規定を遵守し、最適な方法を選択することが企業の責務です。

 公告には、以下の3つの方法があります。

  1. 官報
  2. 日刊新聞紙
  3. 電子公告

官報

官報
官報

 国の公式広報誌である官報は高い信頼性を有しています。日刊新聞と比較すると掲載料が安価である点も魅力的です。

 代表的な官報販売所は以下となります。

日刊新聞

新聞
新聞

 購読者数が多い日刊新聞は、広範囲への情報伝達が期待できます。しかし、その掲載料の高さから、主に上場企業が利用することが一般的です。

 以下は日刊新聞への申込み案内のページとなります。

電子公告

電子公告
電子公告

 インターネットを活用して自社ウェブサイト上で公告を掲載する方法です。既存のホームページを利用する場合、追加の費用が発生せずに公告を実施できるのが特長です。

これらの方法を選択する際には、それぞれの特性やコスト、ターゲットとする読者層などを考慮して、最適な方法を選ぶことが求められます。

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